- 2022.10.20
円安と住宅ローン金利
外国為替市場では2021年に入ってからじわじわと円安が進み、2021年末には1ドル114円前後で推移していましたが、4月には20年ぶりに130円台の大台に乗り、10月には32年ぶりに149円をつけました。アメリカや、さまざまなな国が利上げをする中、日本では金融緩和が続けられ金利差が拡大していることや、ロシア、ウクライナ問題を発端とした資源価格の高騰による貿易赤字の拡大や経常収支の悪化などが円安の一因と考えられます。
日銀は金融緩和政策を維持し、長期金利の上昇を抑える方針を決めました。資源高騰は脱炭素・感染症・戦争などの要因が絡み合っており、解消することは容易ではなく、円安傾向は当面続くと見られています。
住宅ローン金利は、金利タイプによって決まり方が異なります。変動金利型の基準金利は、金融機関が最優良企業に対して短期間の融資を行う際の最優遇貸出金利である短期プライムレート(短プラ)に連動し、変動金利は日銀の金融政策の影響を直接的に受けるため、当面金利上昇は考えにくい状況です。一方、長期固定金利は、日銀の金融政策以外の影響も受けて動きます。一般的に、円安は長期固定金利の上昇要因になります。また、海外の金利上昇も長期固定金利の上昇要因です。今年に入ってから、長期固定金利型や10年固定期間選択型などの金利を上げる金融機関が出てきています。先程見たように、日銀は長期金利の上昇を抑える政策をとっているため、大幅な金利上昇の可能性は低いと考えられますが、長期的には金利上昇を意識し、備えておいた方がいいでしょう。
金利の上昇局面で強みを発揮するのは固定金利です。現在変動金利で借り入れをしている人は、今後の金利上昇への備えとして、固定金利への借り換えを検討してみてもいいでしょう。
固定金利は変動金利よりも高めに設定されるのが一般的で、さらに変動金利よりも先に上がり始める傾向にあります。変動金利が上がってきてから借り換えようとする場合、想定以上に金利が上昇している場合がありますので注意が必要です。借り換えはせずに変動金利で様子を見るという場合は手元資金に余裕を持たせておき、金利上昇時には繰り上げ返済ができるようにしておくと安心です。